血液循環とふくらはぎの関係

ふくらはぎ健康法を実践する上で、血液循環の原理を知ることは、大きな効果にもつながります。是非、お読みください。

(1)血液の循環とは

人間を含めたすべての生物は、体の中の細胞に酸素や栄養を取り込み、二酸化炭素や老廃物を外部に排出していかなければ、生命を維持することができません。
血液は全身の張りめぐらされた血管内を循環し、細胞に酸素と栄養素を供給する一方で、二酸化炭素と老廃物を回収していきます。その循環経路は、体循環(心臓⇔全身)と肺循環(心臓⇔肺)の2つのルートに分けられます。

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「体循環」は一般にいう血液の流れ、すなわち心臓から送り出された血液が体を一周し、心臓へと戻ってくるルートになります。

 

「血管」には、動脈、毛細血管、静脈があります。新鮮な酸素と栄養素をたっぷりと含んだ血液は、心臓のポンプ作用によって動脈へと押し出され、そこから毛細血管に回って、細胞に必要な酸素と栄養素を供給していきます。その一方で、細胞から二酸化炭素と老廃物を回収し、古くなった血液は静脈を通って心臓に戻っていくしくみになっています。

 

「肺循環」は心臓と肺を結ぶルートで、心臓に戻った静脈血に酸素を供給し、新鮮な動脈血にリフレッシュさせる役割をしています。

(2)心臓の役割とふくらはぎ

「血液の循環は心臓のポンプ作用によって行なわれる」と一般的にはいわれています。
心臓は収縮と弛緩を繰り返すことで、血液を体のすみずみまで押し出すポンプの役割を果たしています。

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心臓の左心室から送り出された血液は、しなやかな弾力をもった大動脈の厚い血管壁に助けられ、勢いよく体のすみずみまで送られていきます。
しかし、心臓から押し出された血液は全身をめぐって、再び心臓へと戻っていかなければなりません。ここで大事なことは心臓には血液を動脈内に勢いよく押し出す働きはするけれども、全身に送り出した後の血液を吸い上げるまでの力は持っていないということです。そこで重要な役割を果たしているのが「ふくらはぎ」なのです。

(3)ミルキングアクションとは ~静脈のしくみとふくらはぎ

静脈の血管壁は心臓から送り出された血液をスムーズに心臓に戻せるように、きわめて薄く、伸びやすく作られています。さらにそのところどころには弁が設けられ、血管の収縮・弛緩に応じて開閉しながら、血液量を調節し、逆流を防ぐ作りになっています。
静脈は筋肉の中を走っています。静脈が心臓に向かって流れることができるのは、その周囲の筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことで静脈に圧力をかけ、ポンプの役割を果たしてくれているからなのです。静脈を搾りながら血液を押し進めていくその筋肉の働きは、まるで乳搾りのようであることから、「ミルキングアクション」と呼ばれています。
ふくらはぎは、心臓から最も離れたところでミルキングアクションを行なっている器官です。ふくらはぎの筋肉をもみほぐすことは、ミルキングアクションを促し、下半身にある血液をスムーズに心臓に送り戻す全身の血流促進につながります。

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